スマホの月額料金をグッと安くすることができる格安SIM。最近ではCMや店頭で見かける機会も増えてきました。しかし、「格安SIMを使いたいけど何をしたら良いのだろう…」「格安SIMに換えても大丈夫なの?」と、格安SIMへの乗り換えに興味はあるけど一歩踏み出せないという方も多いでしょう。
そこで今回は、格安SIMに乗り換える際の手順や注意点、メリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。乗り換えを検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
格安SIMとは
そもそもSIMとは、スマホ内に入っているICカードのことです。SIMカードはそれぞれの携帯電話会社が発行しており、スマホ購入時に本体に挿入されます。カード内の情報によって端末が通信を行えるようになるので、スマホを使う際にはSIMが必須です。
また、大手の携帯電話会社に比べて安い料金で使えるSIMを格安SIMと呼びます。多くの格安SIM会社(MVNO)がそれぞれ特徴的なプランを用意しているため、自分に合うものを見つけることが大切です。
格安SIMが安い理由
格安SIMを取り扱う会社は大手キャリアのdocomo・au・ソフトバンクの通信設備を借りています。自社の通信設備を持っていないため、設備維持の費用がかかりません。
その結果、ユーザーに安くサービスを提供できるという仕組みになっているのです。月額料金をとことん抑えたい方は格安SIMに乗り換えると良いでしょう。
格安SIMへの乗り換えに必要な4つの物
乗り換え方法を決めたら、次は必要な物を揃えましょう。格安SIMへの乗り換えに必要な物は以下の4つです。
- 使用するスマホ
- 乗り換え先の格安SIMカード
- SIMピン
- インターネット環境
ここではそれぞれについて解説します。
1.使用するスマホ
格安SIMを挿入して使用するスマホを用意しましょう。今まで使っていたスマホや自分で用意した端末を使う場合は、新しい格安SIMでも動くのか確認してください。
動作するかどうかは格安SIMの動作確認済み端末のページで確認できます。動作確認ができていないスマホでも使用できる可能性はありますが、そのような端末は避けるのが無難です。
2.乗り換え先の格安SIMカード
乗り換え先の格安SIMカードも用意しましょう。webで申し込んだ場合、おおよそ2〜10日ほどで送られてきます。店頭で申し込みをした場合は、その場でSIMカードを受け取れるでしょう。
SIMカードは金属の接触部を素手で触ると故障する可能性があります。また、強度も高くないので優しく扱うようにしましょう。
3.SIMピン
スマホからSIMカードを取り出すためにはSIMピンも必要です。大抵の場合、購入したスマホの箱の中に入っています。
SIMピンが見つからない時は、真っ直ぐに伸ばしたペーパークリップで代用しましょう。ぺーパークリップはAppleやdocomoも代用品として明言しているので安心して使用できます。
4.インターネット環境
使用するスマホに格安SIMカードを挿入したら、通信できるようにするためにAPN設定を行います。iPhoneを使用する場合、この時にAPN構成ファイルをダウンロードするのでインターネット環境が必要です。
自宅にWi-Fiなどがない方は、あらかじめどこで作業を行うか考えておきましょう。時間はかかってしまいますが、コンビニやカフェなどのフリーWi-Fiでもダウンロードできます。
格安SIMへの乗り換え手続きに必要な4つの準備
格安SIMへの乗り換え手続きをするためには、事前に以下の4つの準備をしておく必要があります。
- 現在の回線の契約更新月を調べる
- MNP予約番号を発行する
- 本人確認書類を準備する
- 支払い用のクレジットカードを準備する
スムーズに手続きを進めるためにも、事前にしっかり準備を済ませておきましょう。それぞれの準備について解説していきます。
1.現在の回線の契約更新月を調べる
格安SIMへの乗り換え手続きを行う前に、現在使用している回線の契約更新月を調べましょう。大手携帯電話で契約している場合、定期契約をしている方が大半です。契約更新月以外に解約手続きをすると、違約金がかかってしまうことがあります。
無料で解約できるのはいつなのか、また違約金がかかってでもすぐに解約したい場合はいくらかかるのか、事前に調べて準備するようにしましょう。
2.MNP予約番号を発行する
MNPとは電話番号を変えずに、他社に乗り換えることを指します。現在の電話番号を引き続き使用したい場合は、契約中の携帯電話会社にMNP予約番号を発行してもらわなければなりません。
発行してもらった番号を新たに契約するMVNOに伝えることで、電話番号を引き継ぐことができます。発行方法や受付時間は携帯電話会社によって異なるので、受付窓口での指示に従うようにしましょう。
ただし、MNP予約番号には有効期限があります。発行から15日を過ぎると番号は無効となってしまい再発行が必要になるので注意しましょう。
3.本人確認書類を準備する
乗り換え手続きには名前や顔、住所などが確認できる本人確認書類が必要になります。本人確認書類として扱われることが多いのは以下の5つです。
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- パスポート
- 住民基本台帳
- 在留カード
ただし、各MVNOによって必要な本人確認書類は異なるので、確認してから準備するようにしてください。
4.支払い用のクレジットカードを準備する
支払い用のクレジットカードを準備しましょう。格安SIMは基本的に本人名義のクレジットカードでの支払いになります。
銀行口座振替で支払いできるMVNOもありますが、対応している会社は少ないのでクレジットカードを準備しておいた方が良いでしょう。
格安SIMへの乗り換え方法
格安SIMへの乗り換え方法は以下の2通りです。
- 使用しているスマホをそのまま使う
- スマホ自体も乗り換える
ここではそれぞれの乗り換え方法について説明します。
使用しているスマホをそのまま使う
現在使用しているスマホをそのまま使いたい場合は、SIMロックを解除する必要があります。契約している携帯会社に問い合わせて、SIMロックの解除方法を確認しておきましょう。ただし、キャリアショップでSIMロックの解除を行うと、事務手数料がかかるので注意してください。
SIMロックの解除さえできてしまえば、電話帳やデータフォルダ、各アプリの記録などを引き継いだり再設定したりする必要はありません。
スマホ自体も乗り換える
スマホ本体も乗り換える場合は、格安SIMと新しい端末をセットで購入・契約します。スマホの基本的な設定や手続きは、格安SIM会社が済ませてくれるため簡単に乗り換えが可能です。
セットで購入できるスマホは格安SIM会社によって異なります。スマホ自体も乗り換える場合は、購入できる端末の種類も確認しておきましょう。
格安SIMへの乗り換え手順
準備が整ったらいよいよ乗り換え手続きに進みましょう。使用しているスマホをそのまま使うか、端末自体も乗り換えるのかで手順が異なります。自分に当てはまる手順を確認しましょう。
使用しているスマホをそのまま使う場合
- STEP
SIMロックを解除する
大手携帯電話会社で契約したSIMカードを使用している場合、SIMロックがかかっている可能性が高いです。契約している携帯電話会社に問い合わせて、SIMロック解除の依頼をしましょう。
- STEP
MNPを取得する
今まで使用していた電話番号を引き続き使いたい場合は、格安SIM会社に申し込む前にMNP予約番号を取得しましょう。
発行方法や受付時間は携帯電話会社によって異なりますが、大手キャリアでは実店舗に直接足を運ぶ、または電話1本で取得できます。
- STEP
SIMカードの申し込み
SIMロック解除とMNPの取得が完了したら、契約したいMVNOで格安SIMカードを申し込みましょう。多くの格安SIM会社はWebページから手続きを行えます。
インターネットからの申し込みに不安がある方は、実店舗がある格安SIM会社を選ぶと安心です。
- STEP
各種設定
申し込みが完了したら2〜10日ほどで格安SIMカードが届きます。格安SIMカードをスマホに挿入し各種設定を行いましょう。
設定の手順が格安SIMと同梱されているので誰でも簡単にできます。
スマホ自体も乗り換える場合
- STEP
MNPを取得する
格安SIMのみを乗り換える場合と同様に、電話番号を引き続き使いたい方は申し込む前にMNP予約番号を取得してください。
電話やオンラインで手続きができますが、不安な方はショップに足を運ぶと良いでしょう。
- STEP
機種の決定・申込
格安SIM会社が販売しているスマホ本体の中から購入したい機種を選び、申し込みをしましょう。販売している機種は各MVNOによって異なります。
また、セット割を行っている格安SIM会社もあるのでよく調べてから選びましょう。
- STEP
各種設定
格安SIMカードが届いたらスマホに挿入し、各種設定を行います。iPhoneの場合、APN設定にインターネット環境が必要になるので注意してください。
設定自体は説明書通りに操作するだけなので簡単です。
格安SIMに乗り換える際の注意点
ここまでは格安SIMへの乗り換え方法を解説しました。準備をしっかりすることで、スムーズに手続きを進められます。困った時は各格安SIM会社のサービス窓口に問い合わせてサポートしてもらいましょう。
ここからは格安SIMに乗り換える際の注意点を6つ紹介します。損をしたり手続きが滞ったりしないようにしっかりチェックしておきましょう。
乗り換えのタイミングを間違えるとインターネット・電話が使えない期間ができる
携帯電話会社との契約を切った後に乗り換え手続きをすると、格安SIMカードが手元に来るまでの間スマホを使用できません。そのため、契約終了日と契約開始日が被るように調整しましょう。
インターネット・電話を使用できない期間を確実に失くしたい人は、実店舗で即日発行と受け取りが可能な格安SIMを購入するのがおすすめです。契約してすぐに普段通りスマホを使用できます。
ただし、実店舗で購入すれば必ずしも即日発行と、受け取りが可能なわけではないので注意が必要です。気になる場合は格安SIM会社に問い合わせてみましょう。
契約更新月以外に乗り換えると違約金がかかる場合がある
大手携帯電話で定期契約をしている場合、契約更新月以外に解約手続きをしてしまうと違約金がかかってしまうことがあります。なるべく出費を抑えるためにも、契約更新月をしっかり調べておきましょう。
ただし、大手携帯電話会社のほとんどの料金プランは、違約金を払ってでも格安SIMに乗り換えた方がお得になる可能性が高いです。現在契約している料金プランも契約更新月と一緒に確認しておきましょう。
SIMロック解除を忘れると使用できない
SIMロック解除の手続きを忘れてしまうと解除完了までスマホを使用できません。現在使用している会社と異なる回線を借りている格安SIM会社に乗り換えるなら、必ずSIMロックの解除が必要です。
乗り換え前後の回線が同じ場合は、SIMロック解除は必要ありません。手続き前にSIMロック解除の要否をチェックし、必要であれば忘れずに行うようにしましょう。
今使っている携帯会社のポイントを使い切っておく
解約後は携帯電話会社のポイントが使えなくなることがあります。ポイントが消失するのであれば、解約前に使い切っておきましょう。
ポイントの使い道は各携帯電話会社で異なりますが、割引やスマホのアクセサリーと交換できる場合がほとんどです。
SIMカードの大きさをチェック
SIMカードには標準SIM・micro SIM・nano SIMといった、大きさが異なる3つの種類があります。端末とSIMを別で用意する場合は、その機種で利用できる大きさをチェックしましょう。
スマホに大きさが対応していないと使えないので、サイズ変更が必要になります。変更には手数料がかかる場合があるので注意してください。
動作する端末か確認する
使いたい端末が乗り換え先の格安SIMで、動作するのか確認しておきましょう。端末によっては動作が確認できていない場合があります。
乗り換え先の格安SIM会社の動作確認端末ページに、一覧が記載されているので検索してみてください。記載されていない端末でも使用できる場合がありますが、不具合が起きる可能性が高いので避けましょう。
格安SIM会社の選び方
格安SIM会社は急速に増えており、様々な会社名を見かけるようになりました。しかし、どこの格安SIM会社にするべきなのか迷ってしまう方もいるでしょう。
そのような方に向けて、ここでは3つの視点から格安SIM会社の選び方を紹介します。
店舗の有無で選ぶ
格安SIM会社の中には実店舗がなく、オンライン上でのやりとりのみという会社もあります。オンラインで申し込みができれば好きな時に気軽に手続きが可能です。
「対面で手続きをしないと不安」という方は、実店舗のある格安SIM会社を選びましょう。ただし、実店舗がある格安SIM会社は少ないので、選択肢が減ってしまうので注意が必要です。
使用している回線で選ぶ
どこの通信事業者の回線を使用しているのかで選ぶのも重要です。自分の住んでいる地域で安定した通信を行える回線を選びましょう。回線によっては対応していない地域があるので注意してください。
また、現在使用している携帯電話会社と同じ回線の格安SIM会社に乗り換えるなら、SIMロック解除の手間が省けます。回線が異なる場合はSIMロック解除が必要になるので注意しましょう。
販売しているスマホの種類の多さで選ぶ
販売しているスマホの種類は格安SIM会社によって異なります。SIMカードとセットで端末も新しく購入しようと考えているなら、販売しているスマホの種類の多さも考慮すると良いでしょう。
スマホを選ぶ際は、見た目だけでなく機能や価格などに着目するのがおすすめです。求めている機能が搭載されていれば長く愛用できるでしょう。
格安SIMに乗り換える4つのメリット
実際に格安SIMに乗り換えると、どのようなメリットがあるのか気になる方もいるでしょう。格安SIMに乗り換えた場合のメリットは以下の4つです。
- 月々の支払いが安くなる
- 選べるデータプランが豊富
- 解約手数料がかからない場合がある
- SIMフリーのスマホも一緒に契約できる
それぞれのメリットについて詳しく解説するので、乗り換えを迷っている方は参考にしてください。
1.月々の支払いが安くなる
格安SIMはその名の通り料金が安い点が一番の魅力です。大手キャリアのように複雑な条件での割引がなくても、毎月のスマホ使用料をグッと下げられます。
データ通信や通話が少ない方であれば、2,000円以下に抑えることも可能です。毎月の固定費を削減できるのは誰にとってもメリットと言えるでしょう。
2.選べるデータプランが豊富
「あまりデータ容量を使わないのに適したプランがないから多く払っている。」なんて方もいるでしょう。多くの格安SIM会社は、豊富なデータプランを取り揃えているので、自分に合ったプランを見つけられます。
最適なプランを選べば料金の払い過ぎを防ぐことが可能です。月々の携帯料金が高いと感じている方は、格安SIMへの乗り換えを検討しましょう。
3.解約手数料がかからない場合がある
多くの格安SIM会社では解約手数料が掛かりません。契約更新月以外でも無料で解約できるので、違約金の心配をせずに安心して契約ができるでしょう。
ただし、格安SIM会社によっては最低利用期間を設けている場合があります。最低利用期間の有無も事前に調べておくと安心です。
4.SIMフリーのスマホも一緒に契約できる
格安SIMとセットで購入するスマホは、SIMフリーであることが多いです。SIMフリーとはSIMロックがかかっていない状態を指します。
SIMフリーのスマホは幅広い回線で使用できるのが魅力です。通信規格さえ適していれば他社や海外製のSIMカードでも使用できるので、乗り換えや旅行の際にも柔軟に対応できます。
格安SIMに乗り換える2つのデメリット
格安SIMに乗り換えるデメリットとしては以下の2つが挙げられます。
- キャリアメールが使えない
- サポートが受けにくい
ここでは、デメリットと一緒に解決策も記しているので参考にしてください。
1.キャリアメールが使えない
格安SIMでは、docomo・au・SoftBankで使用していたキャリアメールが利用できなくなります。サイトやアプリで登録情報を変更する必要があるため、格安SIMへの乗り換え前は手間がかかることを覚えておきましょう。
キャリアメールは使えませんが、GmailやYahoo!メールなどのフリーメールは使えます。乗り換える際には事前フリーメールを準備をしておくと良いでしょう。
2.サポートが受けにくい
実店舗がない格安SIM会社の場合、スマホに不具合が生じたり故障した時に、すぐに駆け込んで相談するということはできません。チャットや電話での問い合わせになるため、緊急時に修理ができない可能性がある点も覚えておきましょう。
充実したサポートを受けたい方は、実店舗のある格安SIM会社を選ぶと安心です。ただし、実店舗のある格安SIM会社は少ないので選択肢が少なくなります。
格安SIMへの乗り換えまとめ:準備さえすれば誰でもスムーズにできる
格安SIMへの乗り換えは手続きを自分で行う手間がかかりますが、準備さえしておけば誰でもスムーズにできます。「オンライン契約だから難しい」と決めつけず、チャレンジしてみると良いでしょう。
格安SIMに乗り換えると、安くて豊富な料金プランから最適なものを選べたり、自由に解約ができたりと様々なメリットがあります。
- スマホの月々の支払いが高くて困っている
- 定期契約の縛りから抜け出したい
- 適した料金プランがなかなか見つからない
このような悩みがある人は格安SIMに乗り換えることで、今より快適にスマホを利用できます。この記事を参考に格安SIMに乗り換えてみましょう。